ランニングなど走る事についてその効果などを検証した論文はたくさん発表
されていますが気になるのは結局ランニングは何にどう効果があるの?
それって本当なの?というところだと思います。
大学や研究機関で実験研究され発表されたその中でランニングの効果に関す
る論文の内容をご紹介します。
筋肉から出る若返りの物質
運動による筋肉の収縮で筋肉が出す物質があるという事がわかっていいます。
筋肉が出す物質の中でも若返りのホルモンとも言われている「マイオカイン」
という物質については現在100本以上の関係論文があります。
マイオカインは「ガンの増殖が抑えられた」や「うつ症状の改善に効果があっ
た」などその作用についての報告もあるようです。主に下半身の太もも、ふく
らはぎの筋肉から出る物質で、普段の生活をしている運動量では出ることは無
いようです。
どんな時にこの物質が出るかというと、筋肉は通常筋肉トレーニングや、ラン
ニングなどの負荷をかけて筋肉繊維の損傷と修復の繰り返しで筋肉は強化され
ていきます。
この新たに筋肉ができる修復時にマイオカインは約4ヶ月程分泌されるのです。
運動としては本気スクワットが有効です。ゆっくり1、2、3で沈み込み、
ゆっくり1、2、3で立ち上がる、膝が足爪先から出ないように、背筋を伸ば
して10回繰り返します。(ちょっとキツイ程度です)
トレッドミル運動での実験結果
このマイオカインの1種であるカテプシンBという物質についてアメリカ国立
老化研究所などが2016年に筋肉の働きで記憶力が高まる可能性があると論文
を発表しました。
運動により筋肉から出たカテプシンBという物質が増えた人ほど記憶力のテス
トの成績が良かったので、カテプシンBという物質によって脳内の海馬の神経
細胞が増える可能性があるとしています。
これを受けてランニングの効果は記憶機能にも及ぶという事を実
博士らの論文を見てみましょう。
人、サルでトレッドミル運動を4ヶ月に渡って行った結果カテプシンBの量が
増え、運動の前後で複雑図形検査をしたところ運動した後の得点結果が良かっ
たという結果が出た。
ランニングして筋肉から出たカテプシンBは記憶機能の維持改善に役立つ事
が明らかになった。
走ることは記憶の低下を抑えるというメリットもあるとしています。
メタボリックシンドローム改善の物質
また「マイオカイン」を名付けたデンマークコペンハーゲン大学のベンテ・
ペダーセン博士は運動した時に筋肉から出る物質の中で「IL-6」というもの
に注目しこれについての研究の発表もしています。その内容は運動時に出さ
れる「IL-6」という物質がメタボリックシンドロームが引き起こすあらゆる
病気の改善に有効であるとしている。
メタボリックシンドロームは内臓肥満、脂肪代謝異常、高血圧、高血糖など
の症状を引き起こします。これは免疫細胞の暴走と言っているようですが、
運動をして「IL-6」が分泌されると免疫の暴走を抑える働きをすると考えい
るようです。
運動をしてエネルギー消費によって脂肪などを減らすと症状が改善されると
いうものではなく、分泌された物質によって症状を抑えていくというものです。
ちなみに、「IL-6」という物質は大阪大学の教授だった岸本忠三博士の研究チ
ームが見つけた物質でメタボリックシンドロームなどの症状を抑える性質の反
面、過剰に活性化すると他の病気の原因にもなる事がわかっている。
まとめ
ランニング、スクワットをして筋肉が破損し、破損した筋肉が再生する時に
分泌される物質が脳の記憶の中枢に作用し記憶機能の維持改善に効果的であ
る事を論文では発表しています。
下半身の筋肉が軽くパンパンになる程度のランニングは筋力強化にもなり、
脳の記憶機能も維持改善される一石二鳥的な効果が期待されるのです。
一気にひどい筋肉痛になる程やったり、数回やっただけでは効果は期待で
きないので、運動量的に無理のない範囲で継続していく事が効果を得られ
る秘訣ではありそうです!